曹均と戯志才が好きすぎる人
 
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【2010.04.29 Thursday 】 author : スポンサードリンク
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三国志学会
受付の学生は訊く。
A「500円で入場できます」

B「1500円を追加で学会に入会できます」

C「さらに1000円上乗せで懇親会に参加できます」


たまたま偶然、我が二松學舎大学で三国志学会の講演会があることを知って、もう一も二もなく飛び付いた。
例年の大会を今年は初めて東京都外の、京都は龍谷大で開催したらしく、たぶんサブ大会として二松でやったんじゃないかなと思う。

三国志学会について多少説明すると、ここ最近に立ち上げられた団体で、三国志を研究する学者はもちろん、それを目指す者、趣味にする者なども誰でもウェルカム。
研究者間の大会を充実させる一方で、初心者やまったく興味のない人も三国志の世界に引き込もうという、三国志普及に"かなり"積極的に取り組んでおられる団体。
その辺の活躍は事務局長の渡邉義浩先生が中心となられているようで、最近では「レッドクリフを監修した人※」として有名。学会が出してる本にも渡邉先生が大きく関わっているのだけど、これがすげー初心者に読みやすいんだわ。娯楽としての三国志から一歩進もうかなと思ってる人にはバイブル。
その渡邉先生が来られるっていうのだから。

こちらにて間違いが指摘されていてびっくり。正しくは「レッドクリフの日本語を監修した人」でした。指摘頂いて恐縮です・・・。ああ恥ずかしい。猛省・・・。
もう一か所、三国志検定についても間違った箇所があると指摘されているので探してきます。



さて、話を9月6日に戻そう。
講演はふたつ、満田剛先生「大三国志展と日中の三国熱」と渡邉先生「レッドクリフと三国志」。
まず満田先生の講演は、去年行われた「大三国志展」のウラ話が主だった。
全国7か所開催、"大"を冠するに恥じない史上最大規模の展覧会だったみたいで、中国から国宝級の文物までかなり取り寄せたとか。
ものすごく残念ながら、去年のぼくは本当に忙しくていけなかった("本当に"忙しかったのだ)。
まぁ、裏話。舞台裏。要は、"どうやったら客を呼べるか"の葛藤逡巡との闘いだったようだ。
このテの展覧会にはツキモノなんだろうけど、「三国志を知らない人々を呼び込み」かつ「訓練された三国志ヲタを満足させる」ことにいろいろ苦心をされていたようだ。三国志はまだブームと文化の狭間にいるにすぎないから、従来の展覧会のようにただ文物を並べただけでは確実に失敗する。
その結果のひとつが、まずは女性をターゲットにしよう、と。無双やらバサラにあやかって、いわゆる歴ジョじゃねーけど、女はひとりを呼べば友達・恋人・旦那・子供と芋が釣れるから、常套手段でもあるのだ。
そのように文物だけに留まらない、まずは三国志に興味を持っていただこう、物語を知ってもらおうとの工夫が凝らされていた。
ただ、すでに述べたようにそれだけだと今度は愛好者からブーイングを飛ばされてしまう、ということで後半のパートには一級品の国宝を並べたそうだ。
この大展覧会について、中国の著名な研究者は「純粋な文物という視点から見るならば、このような三国文物展を開催するのはとても居心地の悪いことで、はなから開催など考えられないとすら言える」とのコメントを寄せている。学者たちにとって、彼らの水準を満たせるような展覧会は、三国時代の文物ではまず開けまい、ということだ。
しかしそこをあえて敢行したことに評価が集まっている。
しかも"素人"目線であることに努めた。
たとえばスレでレッドクリフに批判が殺到したように、ある程度ハマった人々は自分が満たされないものには断固NO!という。
しかしそれは大いに違う。オタが満たされる作品なんてカンタンなんよ。
ほんとに難しいのはその入口になることだ。
それに成功した大三国志展、三国志学会の道に共通するものがあったようだ。
まぁなんだかんだで観てないレッドクリフ、観るなら解説してくれる人と一緒がええなぁ。
さてすっかりレッドクリフの人が定着してしまった渡邉先生、講演のタイトルもこんな感じだけど、中身は副題「劉備の夫人と二喬」のそのまんまだった。
麋夫人と甘夫人については、正史と演義ではかなり設定が異なっているふたりだけれど、その意図はどこになるのか。
麋夫人は正妻であるが子供のないまま、208年頃に亡くなっている。井戸ダイバーのエピソードは創作だ。さらに演義では正史に反して彼女に皇后の位を与えた。その狙いは?
一方で甘夫人は妾である。史実では正妻ではないのだ。しかし演義で正妻になる。そして史実演義共に、最終的には皇后になる。しかし同時に呉夫人も皇后だ。その背景は?
演義とヒトクチに言っても、嘉靖本やら毛本やらの版本とあるので、それらの比較から両夫人の変遷と演義の真意を探る。
当時の妾や皇后の在り方考え方もすごく丁寧に解説してくださったから、二宮事件を調べてるぼくには非常に興味深かった。
そんで、改めて演義のスゴ味を知った。
正史厨に叩かれてばかりの演義。あんなん創作じゃん。史実じゃないし。
と、思うだろ?

続いて二喬。
まずもって、ぼくはまったく知らなかったんだけど、大"喬"としているのは演義の毛本のみで、あとは正史はもちろん同じ演義でも嘉靖本などは大"橋"なのだという。それは謎説きの大いなるキーワードとなる。
レッドクリフこと赤壁の戦いと二喬。と言えば、曹操が二喬を得るために赤壁の戦いを起こしたというのはあまりにも有名だ。魏信者からは蛇蝎のごとく嫌悪されている演義の創作。
だけど、そうやって食わず嫌いでそこに隠された巧妙トリックを見逃してしまうのはあまりにも勿体がないぜ!
先ほどの劉備夫人については、「歴史的・物語的トリック」であったけど、こちらはいわば「文学的トリック」。ぼくもひとりの文章を書く21歳として、ものすごく衝撃をうけた、すさまじいテクニックがそこにはあった。
なぜ曹操は二喬を目当てに南征をした?
なぜ周瑜は徹底抗戦を決断した?
すべては孔明の罠だったのだ!!


今回の講演内容はいずれ渡邉先生の著書に書かれるそうなので、カミング・スーン。
あとちょくちょく「演義の版本」が言及されていたけど、この講演でぼくもようやく、その辺のことがぼんやりとわかるようになった。
いわく、三国志演義の日本語訳はいくつもあるけど、それらはさまざまな版本をごっちゃにして定本としているようだ。
数ある版本の中で、もっとも完成に近いと言われる「毛宗崗本」、通称『毛本』。
「その毛本の完訳はいまだ現れていない」!
びっくりだ。
そしてそこに野望を見出した方こそが我らの!


それにしても、渡邉先生。もちろんお会いするのは初めて。
とてもハイ・スペックな方だそうで。毎月のように論文を書きながら、あの完訳『後漢書』の翻訳作業。が、終わったら『三国志』の完訳も狙ってるそーで。ついでに『晋書』も頼んます。
まぁそれはすごいのだけれど。
お話聴かせていただきまして。
とても、ユニークな先生ですね(笑)
仮にも講演会で「孔明の罠ってやつですよ」とか言わんでください。
レッドクリフの小喬指して「アレ、キャバのお姉ちゃんが終電までひっぱるのと同じやね」とか言うな。
【2009.09.09 Wednesday 10:50】 author : 古宮五代目
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【2010.04.29 Thursday 10:50】 author : スポンサードリンク
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